1. 株主優待の基本:現物取引(げんぶつとりひき)による方法

株主優待を取る方法を説明します。株取引の経験が多くない方向けです。
株主優待の取り方の基本と、実例を紹介します。

2. 証券会社

証券口座をお持ちでない場合は、開設します。どの証券会社でも株主優待を取得できます。松井証券、カブドットコム証券、GMOクリック証券をお薦めします。松井証券、カブドットコム証券は一般信用取引ができます(「(4) 逆日歩対策」で説明します)。GMOクリック証券は、手数料が安いです。一番多く使われているのは、おそらく松井証券です。

3. 株主優待がもらえる3条件

株主優待をもらうには、
権利付最終日(けんりつきさいしゅうび)に、現物取引で、必要な株数を持っている
の3条件が必要です。
一度、順を追って読んでみてください。全て覚える必要はありません。

4. 権利付最終日

権利付最終日を理解するためには、権利確定日をまず理解しないといけません。それぞれの株には、配当金や株主優待がもらえる、権利確定日があります。権利確定日に株主名簿に名前が載っていなければ、配当金や株主優待はもらえません。権利確定日は、決算の日と合わせて設定されていることが多いので、決算の多い3月と9月に多くなっています。

年1回の権利確定日が、3月31日の株を例にします(約600社の株が、3月31日を権利確定日としています)。
この株を、1年中ずっと持っていれば、その年の配当金と株主優待がもらえます。
この株を、3月1日から4月1日まで持っているだけでも、その年の配当金と株主優待がもらえます。
この株を、4月1日から12月1日まで持っていても、配当金と株主優待は一切もらえません。
このように、権利確定日とは、その年のもらえるものの権利が確定する日のことを言います。

ここからが権利付最終日の説明です。株を買ってから、株主名簿に名前が載るまでには、3営業日かかります。いろいろな手続きがあるためです。そのため、権利確定日に株を買ったのでは、株主名簿に名前が載るのが間に合わず、配当金や株主優待をもらえません。権利確定日の3営業日前に買う必要があります。このため、権利確定日の3営業日前を、権利付最終日と呼んでいます。権利が付いてくる最終の売買日、ということです。

毎月の権利付最終日がいつになるかは、株主優待を極めるや、松井証券で確認できます。

上の例について、最も短期間で権利を得るパターンは、以下のようになります。
上記の株を、3月の権利付最終日に買って、その翌日に売却しても、その年の配当金と株主優待がもらえます
たった2日足らずの間だけ株を持っていれば、株主優待がもらえてしまうのです。

5. 現物取引

株式には、現物取引信用取引の2種類があります。信用取引で株を買っても、優待はもらえません。もっとも、証券会社に口座を開設したばかりの方には信用取引はできませんので、深く考える必要はありません。信用口座を申し込むためには、少なくとも半年間の、現物取引の経験が必要です。半年も経つ頃には、これらの違いは、足し算と割り算の違いくらい明らかにわかるようになっています。

簡単に説明しておくと、現物取引とは、自分の持っているお金の範囲で株を買うことです。信用取引とは、自分の持っているお金を担保として、持っているお金以上の株を買ったり、誰かから株を借りてきて、売るところから取引をスタートする(空売り)取引のことです。

6.必要な株数

企業ごとに、株主優待を受けるために必要な株数が指定されています。優待の情報サイト(例:株主優待を極める)や、各企業が公開しているホームページ(例:ツルハホールディングス)で確認します。次の、オリエンタルランドの例も参考にしてください。

7. 例:オリエンタルランドの株主優待

2012年の3月にオリエンタルランドの優待を取った時の実例です。
ディズニーランド・ディズニーシーの1デーパスポートがもらえる、定番の株主優待です。

株主優待を極めるで調べてみます。検索のページで、「オリエンタルランド」と入力すればページにたどり着けます。「企業のIRページ」というリンクから、会社のホームページに移動して確認することもできます。

オリエンタルランドの情報:株主優待を極める(抜粋)
権利確定日 3月末日・9月末日
株価 8800円 単元株数 100株 単元購入額 約88万円
企業のIRページ
「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかのパークで利用可能な1デーパスポート
100株以上 1枚
200株以上 2枚
300株以上 3枚

権利付最終日に100株買って、1枚の1デーパスポートを取る計画を考えました。
株価が8800円で100株なので、約88万円の資金が必要です。

権利付最終日を確認します。
間違っている場合もないとは言えないので、いくつかのサイトで確認します。
株主優待を極める / 松井証券 / 楽しい株主優待&配当

株主優待を極める
2012年3月の権利付最終日と逆日歩日数

3月15日分は3月12日、逆日歩日数は1日です。
3月20日分は3月14日、逆日歩日数は2日です。
3月末日分は3月27日、逆日歩日数は3日です。

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松井証券
【3月末日が権利確定日の場合】
26(月) 
27(火)権利付最終日(この日までに買付が必要です)
28(水) 
29(木) 
30(金)権利確定日
31(土)市場休業日

27日(火)の寄付(よりつき:朝一番の取引のこと)で買って、28日の寄付で売ることにしました。寄付が1日のうちで一番取引される量が多いので、ほぼ100%売買が成立するからです。もちろん、27日の引け(その日の一番最後の取引)で買っても間に合います。

8. 例:注文する

寄付きは9時です。9時より前に注文を済ませます。前日の夜に注文しても大丈夫です。
松井証券で取引する例を示します。必要な資金は入金済みとします。
実際の取引は、証券会社のマニュアルをよく読み、理解したうえで行ってください。

ログインします。




株式取引→現物買で、オリエンタルランド、あるいは銘柄コード4661を入力します。
100株を、成行(なりゆき)で注文します。取引開始前時刻の前に成行で注文すると、寄付で取引が行われます。


権利付最終日の市場が終わった時点で、優待をもらえる権利が確定します。
権利が確定したという連絡は特に来ませんので注意してください。
今回は、買った株は、翌日の28(水)の寄付で売却します。この注文は、27日の夜からできます。

9. 例:利益とコスト

権利を取った配当、優待は、ほとんどの場合は、3か月後に届きます。オリエンタルランドもだいたい6月に到着します。
今回の取引の利益とコストについて考えます。

利益は、配当と株主優待です。12年3月期のオリエンタルランドの配当は1株あたり100円でした(決算後に発表されます)。100株買っていたので配当は10000円です。優待のパスポートは6200円の価値があります。合わせて、16200円分の利益がありました。

コストは、売買の手数料と、株価の変動分です。松井証券では100万円までの取引が1050円なので、買いと売りで計2100円の手数料がかかりました。株価は、27日(火)の購入時は8800円で、28日(水)の売却時は8720円でした。80円の値下がり×100株で、8000円の損です。合わせて、コストは10100円でした。

今回は、差し引きで6100円の利益が出ました。しかし、株価は突然変動することもありますので、得たもの以上のコストを払うことになる場合もあります。この、価格変動のリスクは、信用取引をうまく組み合わせることによって、0にすることができます。次の「(3) クロス取引(両建て)」で説明します。

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